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脳神経機能再生学

治験とは(医療機器)

新しい医療機器が世の中で使われるようになるまでには、その医療機器が病気や症状に対してどれだけ効果があるのかということと安全性を調べる必要があります。そのためには、まず動物を使った試験や性能の試験を行い、そこで十分に検討された後、実際に患者さんに使用いただいて効果と安全性を調べる試験を行います。このように人を対象にして行う試験を「臨床試験」といい、国(厚生労働省)から承認を得るために行う臨床試験を「治験(ちけん)」といいます。

治験は、参加された方の安全や人権を守るため、国(厚生労働省)が定めた「医療機器の臨床試験の実施の基準(GCP)に関する省令」に従って専門家などにより科学的及び倫理的立場から厳しく検討され、行われています。 現在の医療で受けられる治療は、これまでの臨床試験によって長い年月をかけて少しずつ進歩してきました。より有効で安全な医療機器が世の中で使えるようになるためには、多くの患者さんのご協力が必要です。

新しい治験機器が承認されるまで
今回の治験はこの段階に当たります。
  • 新規の機器開発研究を行います。また、国から承認されている医療機器の改良研究や、別の目的で使用できないかを研究します。
  • 動物を対象に安全性と有効性を調べます。また、機器の性能を調べます。
  • 国(厚生労働省)の承認を得るためにヒトを対象とした有効性と安全性の確認をします。
  • 国(厚生労働省)へ治験のデータを提出し、専門家による審査を受けます。
  • 医療機器として承認を受け、販売されます。
  • 実際に販売されてからも、効果と安全性について調査を行います。

本治験の目的

大阪大学医学部附属病院脳神経外科をはじめとする痛みの治療に関与している各診療科、各大学病院では、痛みに対する最新医療を患者さんに提供するとともに、より良い治療法、診断法、予防法などを開発するための研究を行っています。
神経障害性疼痛(感覚神経系の障害によって生じてくる痛み)は、一般的な痛みの治療法である薬物療法だけでは十分な除痛が得られないことがあり、難治に経過する患者さんが多いのが現状です。

当院の過去の研究や世界各国で行われてきた臨床試験から、難治性神経障害性疼痛の軽減を目的に反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation; rTMS) という方法の実用化を進めてきました。rTMSでは、手術を必要とせず、意識のあるまま、ほとんど痛みなく脳を刺激することができます。しかし、治療法として確立していくためには、痛みを取り除く効果と安全性をより詳細に評価する治験が必要です。

本治験では、薬物療法などを十分な期間にわたって実施してきても十分な効果が得られない方を対象として、rTMSで体の運動をつかさどる脳の領域を刺激し、その治療効果と安全性を確認します。

反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation; rTMS)

頭皮上におかれた刺激コイルに瞬間的に電流を流すことで、磁場を誘導し、その誘導電流で脳を刺激する非手術的な脳神経刺激法。神経系に可塑性変化を惹起することで、神経疾患の治療法として研究されている。薬物治療抵抗性のうつ病に対しては、米国で認可されている。

治験の流れ -対象患者-

頭部に磁気刺激装置をあて、脳の一部を磁力で刺激します。
連日の刺激を行い、治療効果を痛みのスコアを用いて評価します。
rTMS治療を受けていただいた後、条件が適合し希望される方に、追加で刺激を継続することもあります。

対象患者

感覚神経系の障害によって生じてくる痛み(神経障害性疼痛)を抱えている患者さん

  • 脳卒中(脳出血、脳こうそくなど)のあとの痛み
  • 脊髄損傷のあとの痛み
  • 末梢神経の病気による痛み
  • 幻肢痛、引抜損傷後の痛み
  • 複合性局所疼痛症候群2型 など

てんかんの既往など条件によっては、参加いただけないこともあります。

[ 具体的な対象疾患 ]

幻肢痛・断端痛、複合性局所疼痛症候群2型、末梢神経損傷、代謝性(糖尿病性など)、非定型三叉神経痛、神経根障害、神経叢損傷など 
中枢性脳卒中後疼痛、脊髄損傷後疼痛、多発性硬化症、脊髄空洞症など
帯状疱疹後神経痛、脊髄神経根引き抜き損傷、腕神経叢引き抜き損傷

よくある質問

治験に参加する際に費用はかかるのでしょうか?
治験の治療にかかる費用について患者さんの負担はありません。
負担軽減費*を受け取ることができます。
入院で治験を実施する場合、入院費用などは、通常診療同様に健康保険の自己負担割合に応じて患者さんの負担になります。
* 治験参加に伴う交通費などの患者さんの負担を減らす目的に患者さんに支払われるお金
様々な薬を飲んでいますが、治験参加中も続けることができるのでしょうか?
原則、そのまま飲み続けていただきます。
大阪大学医学部附属病院以外で、この治験に参加すること出来るのでしょうか?
近畿大学医学部堺病院と浜松医科大学医学部附属病院でも参加することができます。
自宅が遠い場合は、どうしたら良いのでしょうか?
入院していただいたり、大阪大学の宿泊施設(大阪大学春日丘ハウス)や近隣のホテルから通院していただいたりする選択肢があります。
その他、治験に関するお問い合わせはこちら

施設のご紹介

治験の共同実施施設

  • ・近畿大学医学部堺病院
  • ・浜松医科大学医学部附属病院

実施診療科: 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科
治験調整医師: 特任教授 齋藤洋一

06-6210-8435

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